17/07/2006 現朗と激の一団が向かった先はお菓子掬い(一回二百円)。 激は友達が多いので、七八人の集団で店を取り囲みます。 「よーしっ! 行くぜ」 もらったモナカスプーンを振り回しながら、元気よく激が掛け声をかけます。はじめはいかにも軽そうな、ふわふわなお菓子に狙いを定める。それがうまくいくと、次は小さなガム。 なかなかの腕前です。 子供たちは一所懸命に菓子をバケツの中にいれていくのですが、やはり三個目くらいになるとどんどん壊れていってしまいます。一個以下しか取れなかった子は好きなお菓子をもうひとつとっていいよと言われそれを選ぶのに必死。 激もまた十個目でダウン。 「よく取れたなぁ」 お店のおじさんは少し驚きながらお菓子を詰めます。 「君、名前は?」 「激っ!」 「いくつかい?」 「六歳」 「えっー。お前まだ誕生日きてないから五歳だろー」 「嘘つくなよぉー」 おじさんは、短冊のようなものに激の名前と取れた個数、そして五歳とでかでかと書く。それを持ち上げて、店の軒につるします。 すげーすげーと園児たちは蛙のように大合唱。 激は戦利品を受け取りながら得意顔で鼻の下をこすります。 「俺も、壊れた」 そんな盛り上がっている真っ最中。 現朗が低い声でぼそりといいます。 店主が慌てて振り返ると、なんとそこには小さなお菓子をこんもりとっている金髪の少年の姿が……っ! 「ええと……どれどれ……ひいふうみぃ…… ………… ……二十四個?」 「すげぇっ! 現朗君、二十個だぁ」 「二十四だってさ」 「激の二倍だぜー」 激も他の子と混じって歓喜の声を上げている。おじさんはいそいそと新たな短冊に現朗の名前を書きます。 激の短冊の横に、現朗という自分の名前。 「じゃあ二人には写真を撮ってあげるからねー」 とおじさんはインスタントカメラを取り出して二人を並ばせます。三枚写真を撮り、一枚ずつ子供に渡して、最後の一枚を屋台に貼る。 夢のような出来事に、激も現朗も感激です(特に現朗がもの凄く感動している)。 この写真は一生の宝にするんだ。 ―――と、その少年の魂に刻み込まれたのでした。 集団で回った激組は、その後みんなでお金を出し合って、ソースせんべいを食べたり、綿飴を分けたり、フラッペを食べたりとお菓子の食べ歩き。その後余った時間はお堂の周りで鬼ごっこをしていました。 戻る ・ 今の雑記 |