13/10/2006 正統派夢小説。 玉藻さんの恋人(人間・女性・現在茨城から出て東京で一人暮らししたて) 茨城では玉藻さんの眷属を祭っている町で暮らしてます。信心深いほうではありますが、別に巫女とかそういうつながりはなく、普通で。 東京の仕事や生活にもなれてきたが、毎夜玉藻さんがやってきてのびりべたべたしてくるのが悩み。 日中四十一度を超えた記録的猛暑真っ最中のある日。 今日も帰りが遅いと嫌味を一時間以上言われ、しかもその後べたべたしてくる。日中ほどではないものの、熱帯夜の暑さも凄まじい。クーラーのないワンルームマンションには地獄の暑さです。 それでとうとう、怒りが沸点を超える。 「暑いからひっつくなっ。ひっつくなぁぁぁ。 もっさりしてるからどこに来ても暑いのっ、この部屋の狭さ見れば少しはわかるでしょ。 今日は帰ってよ。 いや、帰れ。 帰れってのー」 と叩き出す。もちろん玉藻さんも怒る。 「こんな狭くて宴の用意も出来てないうえ御簾も畳もない凄まじいウサギ小屋に私がいることがどれだけ素晴らしいと思っているんですっ! 私のような美しすぎる妖は大変なんですよっ。 毎夜毎夜、引手数多な誘いを断ってきているというのにっ」 「じゃあそっちへ行ってこーい」 こんな感じで喧嘩別れ。 しかし自宅(邸宅)に戻った玉藻さんは、丸くなってぐすぐす泣いてしまう。 「……だって狐だもん。狐だからもさもさしていても仕方がないんだもん。尻尾が邪魔なくらいわかってるもん。 昔はさ、昔は『玉藻の尻尾だーいすき』っていってくれたのに。いい子でしたのに……」 そんな感じで暗い部屋(100畳以上)引き篭もる御大将に、天狐&鎌鼬も溜息。 見かねた天狐は、四人そろって一路東京へ。 彼女が帰宅すると、ベットの上に四人の男が狭そうにちょこんと正座しているのです。しかも靴履きで(笑)。かれらはそのベットが上座だと思っているので、無理をしてでも入ろうとしている。 「あ、あの……。玉藻様の……ことなんですが」 「その、やはり御大将の妾ならば、ええと、もう少しよい住まいをこちらでも用意しますので」 「引越しがお手間なら、「くぅらぁ」という摩訶不思議な機械でもお送りいたします。 あ、もっと急ぎたかったら氷女ならすぐにでも渡せますが!!」 「む」 とか偉そうなのに腰が低い態度で。 さすが玉藻の眷属だー高慢だけど顔はきれいだーと思いながら、彼女も「ちょっと待っていてくださいね」ととりあえず荷物を置いて冷たい麦茶を用意します。さらに冷蔵庫から御揚げを。 「遠いところかご足労お掛けしました。 ……あの、お気遣いさせてしまって申し訳ございません」 御揚げを振舞われた天狐たちは途端に気をよくします。にこにこ顔です。 「実は……ええと…… ……クーラーは、もう買ってるんです」 その一言に、なぬっと顔をあげます。 彼女は照れ隠しにぽりぽりと頬をかき。 「一月以上前に。早く買おうと思ってたけどお金がたまらなくて……。工事日が明後日なので、まだないんですけど。 ………………やっぱり、ここ、狭いし。東京の暑さも半端じゃないし。彼なんか毛があるから辛いんじゃないかな……って。 だから、驚かせてやろうと思って」 案外愛されている玉藻さん(苦笑) その話を天狐たちから聞いた玉藻さんはクーラーが来た日に茨城の食材土産をもってお祝いに行ってあげるのです。 戻る ・ 今の雑記 |