激に言わせたい一言   
28/06/2006


「申し訳……ございません」

 今、ここで目が点になった方。
 貴方は正しい反応です。
 一方ここで『ん? デジャヴ?』と感じた方。
 それも多分正しいです。

 えっと。Paradise Vision様(パスワードを取得する必要があるのですが、現激ファンは絶対損のないこと請け合いの凄サイト。一言で言えば、神)のところで開催された絵茶会のログを見て。
 上記台詞、どじっ娘メイド激が現郎ご主人様にお仕置きされているところで。

 性格悪なウツ様が
「ほら。どうしてくれるんだ? お前のせいで大切な大切な……が壊れてしまったぜ。
 どう責任をとるつもりだ? おい」
 とかいいながら激にお仕置きしているシーンなんです。
 普段乱暴な言葉しか使わない男っぽい激が、敬語でしかも謝っているというところに巨大な萌を感じます。

 *****

 個人的に、激は生徒会長になるといいと思います。
 生徒会長より生徒会長らしい副生徒会長が、勿論のこと現郎です。
 中学生卒業のとき現郎から告白して、以来秘密で付き合ってる仲。二人とも二年生。

 生徒会長の趣味は、悪人退治。

「なー現郎ー。悪い奴いないのー。最近動いていないからつまんねよ」
「……職員室には結構いるが一般人にはおらん。
 いいから書類作らないと明日の会議はどうする」
「明日の会議さーやめちゃおうよー」
「………………ふふふ。
 今、悪い奴を見つけたぞ」
「え? ホント?」
「ああ。じゃあ悪人退治といくか」
にたり、と金髪が微笑んで。
 机につっぷしてだれている生徒会長を、いきなり押し倒す。
 そこでようやく巡りの悪い激脳に血が巡る。
「ちょっ。待てよっ」
「さーて。仕事をサボる悪い生徒会長様には、どこから痛めつけようかな。胸か? それとも口か? それとも……なあ?」
「ぎゃぁぁぁあああああ―――っ!」

 で。そんな素敵学校に世界征服を目指す爆が転入。

 「俺の夢は世界征服だ。
 気に食わん奴は倒す。気に食わなくても俺の行く道を塞ぐ者も倒す」
GCウオッチがあれば正義の味方の三白眼ですが、一般的な学校では悪い奴です。喧嘩は当たり前、教師には反抗的、頑固者で迷惑者。
 勿論そんな噂は耳の早い生徒会長にも届くわけで。
 職員室から迷惑駆除の申し出があり、嬉しそうに爆に注意にいくわけです。
「貴様、誰だ?」
「ん?
 俺は激。
 お前のことを知っているぜ、可愛いどら猫だろ? 手を出せば噛み付くしか知らない。撫でるのか殴るのか、それすらも見えてない」
「猫じゃないっ。
 カイ。お前、知っているか?」
「さあ…………なんだかふてぶてしい方だとは思いますが」
「カイ……覚えてろよ」
で。
 爆をぼっこぼこ。
 泣きながら地面に這う青年に。
「……力では何も生まれねえ」
「嫌だぁ。嫌だぁ嫌だぁぁああ。負けたくない……俺は絶対に負けたくないっ。俺は負けない……負けない……すべてを征服するんだ……」
「征服、しろよ。
 だが、今のやり方は駄目だ。もう、お前自身はわかっているんだろ?」
「嫌だぁぁ、やだ、嫌だぁ」
泣きじゃくりながら世界のすべてを拒絶する爆を、激は優しく宥めて、少年の頑なにとざれた心を開いていく。
 でイロイロあって。カイと爆は生徒会の配下になったり。

 楽しい日々は、ある時終わりを告げる。

 激の家で、父親が不倫相手の女の下へ走り、母親がその事実を受け入れられなくて狂い始める。
 彼女が車に乗り(無免許←でないと、保険がおりちゃうから)、事故を起こして相手が負傷、母親は死亡。
 そして負傷した相手は、現郎(会社社長息子)の父(社長)。その傷害の代金を返済するため、激は現郎家のメイドさんに。(BL小説にだってそうそう無いとんでも設定☆)
「…………高校は、辞めなくていい」
「え? で、でも」
「お前の学費は払う。
 辞めなくていいんだ」
なんて優しいことを口にしますが、学校でも色々しちゃってね。しかも文句を言ったら『ほう? メイドが俺に口答えか?』とか。学校では生徒会長と副会長、家ではメイドと主人の二重生活。
 身分の差、借金の重み、現郎からの夜の虐め。そこに、家族を喪失した悲しみが再発して激の精神にも限界が来る。
 気づいたときには。
 激の笑顔が、虚ろになっている。現郎の言葉に一切逆らわないし、全てに遠慮をするし、文句も口答えも何も言わなくなる。何より、現郎とは呼ばず常にご主人様と呼ぶ。
「お前が傍にいてくれないと、俺が駄目なんだ。
 胸が苦しくて、死んでしまうんだ。
 ……だから。傍にいて欲しかっただけなんだ」
「―――そんな。
 ご安心ください。
 払いきれないのだから、一生ここからでては行けません。俺はご主人様にご恩しを返しきれないことだけが心苦しいです」
「…………げき……。
 ……愛しているんだ。お前だけを」
「あははは。それは、一時の気の迷いですよ。
 なに。すぐに飽きて捨てるでしょう」
「愛している。愛している。愛している、聞いてくれ。俺の言葉を聞いてくれ。信じてくれなくていい。聞いてくれ」

 愛すれ違い。

 一方、激が社長家に引き取られ、良い生活をしていると聞いた激父。
 自分が女に走ったのに、その女性が金遣いが荒く、借金に首が回らなくなった途端息子が憎くなります。
 母親の保険金も入って、しかも社長家で生活、左団扇とはこのこと。(借金のことは対外的に伏せている)
 学校帰りの激に詰め寄って。
「俺にも保険金をもらう権利があるはずだっ!
 いや、その前に家を売った金を返せ。あれは俺のものだっ」
久しぶりに会った懐かしい顔、しかし、その口から漏れる言葉は母を悔やむ言葉でも自分と会えた喜びでもなく、ただ金のことだけ。
 固まっている激。
 そこに、颯爽と現郎登場(←姫のピンチに登場するのが騎士の基本)。
 激父を殴り倒して蹴りつける。

「……うつろぉぉ」

久しぶりに。
 本当に久しぶりに、激が、自分の名前を呼んでくれる。
 大霊砲で殴られたような衝撃(痛いよ)が、現郎を襲う。
 ぼろぼろと泣きじゃくる青年を胸に抱きして、家につれて帰る。その後、現郎は頭を下げて、愛ゆえの暴走だと言い訳して、んでもって一件落着。
 でもそういう借金って返す必要ないんですが(相続放棄するだろう普通)。 

 *****

 ウツゲキはこういうベタベタな話でも美味しいニャァー(みゃー)。

 そうそうワールドカップ。
 実況の二人組みが激と現郎だと面白い。
 激が説明とか解説とか一杯話す方で、無言な方が現郎。

「いまどこ見ているんだよ。随分熱心に見るなぁ。太股ばかり」

「ロナウジーニョ、ロナウジーニョ、ね。
 そーいえば、お前、昨日ロナウジーニョのこと随分褒めていたよなぁー」

「おいおい。攻めてる攻めてるって連呼すんなぁ。
 誘ってんのか? ええ?」

 不謹慎上等(←仕事しようよ)。


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