BASARA英雄外伝の市と信長パロの天馬と大佐 071207   


※ 以下、BASARA英雄外伝の市のストーリーのネタバレ
 
 
 
 戦国BASARA2 英雄外伝の市のストーリーが天馬と大佐で微妙にパロってみました。
 ある種こんな終わりもあるんだろうな、と思ったらちょっとブルー入りますが、まあ妄想するだけならばタダですので。
 ……いや、考えただけですから。望んでないですっ。
 と大きく言い訳したところで、
 言ってみよー、やってみよー!
 
 
※ 市=天馬 信長=蘭 長政=菊理。
※ グロいネタ、血飛沫、死にネタ(第一章で菊理が亡くなります)注意。天馬がどぎつく病んでおりますす 
 

 
第一章
 明治政府に使役されるカミヨミの姫。
 彼女を実質的に支配するのは、直属の零武隊。
 政略結婚として、その姫の菊理と零武隊隊長の息子である天馬が結ばれる。しかしそのような外形的な関係であったにもかかわらず、二人は互いを想い合い、心と心で結ばれる関係になる。
「私は永遠に貴女を御守り致します」
天馬は菊理の手をとり、そう誓う。
 だが、御霊や妖怪を惨殺するような残虐な行為を繰り返す明治政府の方針に心を痛め、菊理姫は零武隊を率いる日明大佐に意見し、対立する。蘭は表面上は聞くものの、決してその意見に従わない。
 そしてとうとう、零武隊が奥州の氷女の一族を滅ぼすと聞いて、菊理は反乱の狼煙を上げる。もう政府の道具ではいられない、と。
「天馬様、貴方はお逃げ下さい。
 この戦に巻き込まれることはありません」
「嫌だっ。菊理。君から離れることは出来ない。
 母上も話し合えば、きっと判ってくれるはずだっ。
 ……母上、母上っ。お願いです。お願い致します。聞いてください―――聞いてください!」
帝に弓を引いた者は一切容赦しない冷酷な鬼神たる日明大佐は、二人を許さない。
 彼らに躊躇いなく刀を向けて、薄く笑う。
「愚か者が」
天馬はそれでも必死に頼み込む。
 菊理は氷女たちを助けるために、身に霊を乗り移らせて、刀を手に取り蘭に対抗する。
 だが、圧倒的に零武隊の方が有利。押されながらも菊理は叫ぶ。
「天馬様、お逃げください。実の子なれば、貴方は助かるはず。お願いします」
「出来ない。一緒に居るっ……永久に居るんだ……!」
 二人が伐り合う最中、突然、蘭は刃の切っ先を天馬に向ける。
 反応が遅れた天馬。
 先に気がついたのは菊理。
 二人の間に割って入ったのは姫の体に、蘭の刀が突き刺さる。
 放心状態の天馬が膝をつく。
「……ふん。まあいい。
 菊理が死んだのは、お前のせいだぞ」
 
 
第二章
 菊理が亡くなったのは己の所為。
 それが天馬の心を締め付ける。零武隊に引き戻された彼は、意志も理性も失い人形のような生活を送る。そして、蘭に次々と帝に背いた妖怪や人を殺すよう命令される。
 誰も殺したくないと願いながらも、反抗できない。
「……俺が悪い…………全て、俺が悪い……。
 お願い……だ…………もう、抵抗……しないでくれ。
 ……殺したく……ないんだ」
病んでいく精神を見ながら、零武隊の他の隊員たちは心配するが、蘭は少しも気にかけない。
「―――いつまで本性を隠す。この愚か者が」
 
 
第三章
 ある戦いで、また妖怪たちを殺し尽くす。
「……許してくれない……俺が、全て悪い…………嗚呼、全て悪い」
帯剣をだらりと下げたまま放浪する天馬。
 ふと。
 彼は周囲を見渡す。そして、首を上げ、青空を見つめた。
 真っ白で巨大な入道雲。
 山の峰を越えようとゆっくりとたゆたうその周囲を、鳶が旋回している。
 そして唐突に天馬の双眸から涙を溢れさせ、幾筋も頬を濡らす。彼はそのままの姿勢で堪えきれぬ嗚咽を零す。 「…………そうか、そう、君は良いと言ってくれるのかい。本当に、優しいんだね。本当に……。
 君が、そう、望むなら。……望むなら……」 その戦いを切っ掛けに天馬の性格が少し明るくなる。
 そして、積極的に戦いに望むようになり、敵の全てを殲滅する。皆殺し。零武隊の隊員たちはようやく天馬が元気なったと喜ぶ。頼りになる仲間として受容れる。
「菊理……君の思うままに」
 
 
最終章
 一陣の風がそよいで、天馬は振りかえる。酷く悲しそうな顔の目に映るのは、血で染まった大地。
「…えない…………どうして……。
 ……聞こえない」
そんな彼を心配して零武隊の隊員たちがよってくる。
 どうした、大丈夫かい、と肩を叩き温かい言葉をかける。
 彼は頓悟する。
「そうか、ゴメンね、殺し足りなかったんだね」
彼は鞘に収めたばかりの己の剣を引き抜くと、躊躇いなく零武隊の隊員たちへ振るう。突然の攻撃になす術もなく一流の武人たちも殺される。
 
「菊理、母上が待っております。私と一緒に、参りましょう」
 
笑みを浮かべながら歩いて陸軍特秘研究所へやってくる。手の刀は刃こぼれ一つしていないのに、全身血を被るほど切り殺して。隊員たちは守るために天馬を倒そうとするが、全く歯が立たない。
「母上。母上。
 殺しに参りましたよ。菊理が、母上の首を欲しておりますゆえ」
「裏切ったか、天馬。……ふっ、そこまで落ちたか」
 
 官舎を戦場に変えて、とうとう辿りつく。
 血に塗られて、優しげな表情を失った我が子を見て、蘭は笑う。
 天馬も、つられて笑う。
 哄笑が重なり、ある瞬間、二人は同時に笑いながら駆け出した。
 刃と刃が激しくぶつかる。
「お前は、本当に、救いようのない愚か者だな。
 だが私の邪魔をした者は容赦はせぬっ」
「はははははっ、俺が、貴女の、邪魔に?
 あはははははは。邪魔は致しませんよ、もとより貴女をヨモツヒラサカへ見送るだけですから。
 菊理がずっと待っておりますゆえ」
「冗談は寝て言え、小童が。
 殺したいのは貴様の意志だろう。
 全てお前が望んでいるのだろうっ」
「そのように私を作ったのは母上でしょう?
 さあ冗談は止めろ。
 その口を閉じて、跪いて、命乞をしてその首を差し出せ」
 熾烈な争いの末、天馬は大佐を切り倒す。
 倒れた灯かりの火が燃え移り、研究所は既に火の海。
 天馬は菊理の声が聞こえるままに歩き出す。
 

 
 たまにはこんな暗い雰囲気も。
 もすうぐで7巻発売ですね!
 


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