18/10/2006 時期はずれですがいきなりすみません。 現実ではともかく、二次創作ではバレンタインねたがかなりもてはやされてますね。 やはり『好きな相手にチョコを渡す』という行動が、 1.普段受動的な相手側からの行動が期待できる。 2.チョコを他の人から貰ったのを見て相手が嫉妬する OR 相手が悲しむのを貰った側が慰める。 3.チョコを貰いたくて大人気なく強請る。 4.チョコを作ろうとして上手くいかない。 ……等等、面白い行動に移りやすいからなんだろうなぁ……と。 別に現実のバレンタインは無くなってもいいですが、同人世界・漫画世界では永遠に生き続けてほしいネタです。 同様の理由からクリスマスとホワイトデーも。 まあそんな素敵ネタのバレンタインなんですが、カミヨミ二次だと出来ないんですよね……。時代考証はかなりどぎつく無視していているんですが、バレンタインほどのことになるとさすがに無視するのが難しくて……(チョコじゃなくて牡丹餅とかなら上手くいきそうなきがするんですけど……)。 絶対カミヨミだとバレンタインネタは美味しいのにっ! 勿体無いっ! 菊理が天馬にチョコを作ろうとして、大佐が料理は危ないからという理由で反対したり(勿論嫉妬です)、仕方ないから買ってきたチョコを渡そうとすると瑠璃男に邪魔されたり(勿論帝月の陰謀です)、天馬は天馬で家から出られないような罠が張ってあったり(帝月の糸です)でなんだか修羅な一日になりそう。 零武隊は上官がいないので心行くまでのんびりしているでしょう。 または、零武隊のイケメン隊員目当てにチョコが殺到するのかな……。 ***** 激からチョコを貰いたい現朗が至る所に『激ホイホイ』みたいな見え見えの罠を張る。見え見えなのですが、部下たちはツッコむと命の危険を感じるので和やかに無視します。 激は明らかに自分宛とわかるそれに青筋を立てつつ足蹴して破壊。 結局貰えない現朗さんは、物凄く凹みます(笑)。 「だいたい、もう俺からのチョコなんていらねーだろ。 お前、荷馬車一台分以上もらったじゃねえか」 「……お前からのチョコじゃなきゃ意味が無い」 「でも荷馬車一台分ある事実はかわらねえーの。あれ消費するのに去年も苦労しただろ。 後で味噌汁作ってやるからそれで我慢しろよ。な?」 と、激が宥めるのですが、現朗は肩を竦めて恨めしそうに上目遣いをしながら一言。 「……………………チョコじゃなきゃヤダ」 我侭現朗降臨(苦笑) ***** 炎は真にくるチョコを全部こっそり処分します。 真の机の上にある綺麗な箱を、彼がいない間に全部自分の机の下の紙袋にいれてしまいます。 そして、戻ってきた真は炎の所業に気づいているのですが、驚いた顔をして炎のほうへ振り返ります。 「……おや? この机にあった箱を知らないか?」 と、いけしゃあしゃあと尋ねるのです。 その一言に心臓が飛び跳ねる思いですが、出来る限り普通の顔を保つ炎。 「知らんな。何かあったのか」 「そうか………………参ったな。 先ほどTNT火薬の詰まった爆弾が届いたので手近な箱がないからラッピングして置いておいたんだ。 もし見つけたら触らないでくれ」 今度は心臓が口から飛び出る思いですが、なんとか普通の顔を保つ炎。 その様子を間近で見ながら、内心真はにたりと微笑んでいます。 「っ! わ、わかった……さ、触らない」 足元の紙袋からそっと足をはずしつつ(さっきまで蹴ろうとしていた)硬い声で返答します。 「たいした量の火薬ではないんだがな。それなりに被害が出るだろう。 それにしても、困ったな。触らなくても一定時間経過したら自動的に爆発する仕掛けをしていたんだ。 ……まあ解除コードがあるから困らないが」 「その解除コードはっ!?」 噛み付くようにたずねてくる炎に、真はあえて冷ややかな視線を送ります。 「―――なぜお前に言う必要がある?」 「っっっ! ………………。 お、俺も探してやろうと思ってな。爆弾とは物騒じゃないか。見つけたらすぐ解除してやるからそのコードを教えてくれ」 「いいや、お前の手は煩わせんよ。 どうせここらへんにあるだろうからな。しかし、爆発まで五分もないな……」 そういって真は炎の表情が青や赤に変わるのを見て楽しんでいるのです。 勿論、チョコの箱です。 ぎりぎりになって解除コードを聞き出し、炎は紙袋を持って慌てて部屋を出て行きます。その後姿を見ながら真は穏やかに笑っています。 炎は冷や汗びっしょりになりながら包装紙を破ります。 ―――と、カードが一枚。 『炎へ』 表紙に書かれたその文字は、彼のよく知るものです。 実は炎のために真が古今東西から買い集めてきたチョコだったのです。 |