13/10/2006 炎様が主役的で主役っぽい話を妄想しよう――― ―――ってトライすると、 いくらやっても、炎が男前に活躍するシーンが思い浮ばないんですが……っ(酷っ)。 こう、脳内の炎は嫣然と微笑んで信徒や現朗を虜にし、んでもって自分の決めた方向(一方通行を逆走)にをダッシュして行くようなイメージが根強くて。 事態を悪化させるのは間違いないんですが、激や毒丸がやれば他の隊員たちが制止するのに、炎様の場合多くの者が『炎様のなさることにお間違いがあるはずがない。俺たちの常識が間違っていたのを、身をもって教えてくださったんだ』総勘違いをするので真が本気でとめない限り事態はヤバイとこまでいっちゃうのでは、と。 だいたい現朗、止める気ないだろうし。激に被害が及ぶに至って初めて『もしかして……間違っていたのか?』という自問自答が始まるくらい。 あれだ、やっぱり爆から『あきらめない強さ』をもらわなきゃ一般人は炎様オーラには対抗できないんですよ。 ***** 零武隊には炎宗教というか炎ファンクラブと言うかそういう謎の組織があると本気八割くらいで信じています。いや絶対あるって。コマの隅かフレームの外とかに隠れてわからないだけで、 「おいおい。俺、明日から炎様もこちらに来るみたいだぜ」 「なっ。やったー。だから大規模任務はいいよなー」 「あの顔を拝めると思うだけで気持ちが晴れやかになるな」 とかあるんだ。 そして、この炎宗教は微妙に現朗さんとは敵対関係。 炎宗教では、月一回の集会が催されます。全員怪しげな仮面をつけているので、一見して誰かはわかりません。 そこでは『今月の炎様美貌集』とか『今月の炎様名言集』とかが上映されたりされなかったり。 そんな信徒たちの憩いの場をぶち壊しに、金髪の奴が現れます。 「炎様をだれよりも敬愛しているのは俺だっっ! 貴様らのような愛など風前の灯のようなものっ」 と、夕日が差し込む塔の最上階の一室、丁度祈りの時間を狙って、現朗が宣戦布告をしに乗り込むわけです。(炎が絡むと零武隊の知能犯もなんか暴走機関車くらいになって欲しい) そんな一言をきけば、もともと我慢限度の低い零武隊、全員一気に最後の一線がきれ、喧々諤々の議論の火蓋が切って落とされるのが自然の摂理。互いに自分たちのほうが愛が深いと言い合い、一歩も譲りません。 その戦いは次第にどれだけ愛を感じているかの自慢大会へと移行します。 現朗は幼少みぎりの炎の写真(恥ずかしいのも含む)を取り出すわ、信徒たちは御神体の『炎のコレクションの全身タイツ(盗品)』を持ち出すわ、ヒートアップ。 あまりに加熱して気づかない間に、その部屋の片隅に潜んでいた真がぼそりと。 「……隊員の一般生活まで口をだすつもりはないからどう処分をつければいいのか非常に迷うのだが…………双方、それは犯罪だろう」 刹那にして、氷点下。 ぎろり、と三白眼で一瞥されて。 「一回目だから、見逃してやる。 人は時として道を踏み外すことはある。問題はそれを踏まえたうえで、どう成長できるかだ。成長できないのなばら俺が始末をつけよう。 ……言いたいことは、分かるな? 二度目は、ない」 そうやって釘を刺した後、硬直している人々から、タイツとか写真とか奪って三白眼は去っていくのです。 その夜。 寮の一室で、炎にタイツを返してやると。 「……こ、これは俺が寮で失くしたと探していたNo.777の幻のタイツっっ」 「大切なものならば、管理をしっかりしておけ」 ぶっきらぼうに言われて、太い眉毛をしょぼんとさせます。 真はその様子に満足して、無言で立ち上がる。 炎はきちんとお礼が言いたくて、あわてて服の裾を掴みます。 「真っ―――」 その時。 はらはらと現朗のシークレット炎様ご幼少写真(恥ずかしいものも含む)が胸ポケットから落ちるのです。 これには流石の炎の眉毛がつりあがります。 隠し撮りとは武人のやることかぁぁっ! 「真……貴様ぁぁ……なんて真似を」 「こ、これは、理由があってだな、理由があって手に入れたもので俺が撮ったとかそういう―――」 「問答無用っ。 ダブルファイアぁぁぁっ!」 口下手な真が必死に言い訳する様子がラブリー。 ……なんてほのぼのなお話もいいですね。 おっと。これは珍しく炎の主役っぽい話ではないか。 |