いいなぁ……裸踊り……   
30/07/2006


 よく参拝させていただいている AGAIN様の健全漫画ネタが凄いツボなんです。ていうか……健全と銘打っているこの四こまがかなり非健全のような気がしてならないのですが……。
 ただ、実際、零武隊で裸踊り企画が持ち上がっても、真と現朗の手によって潰されるとおもうんですけどね……。
 触発されて思わず書いてしまったんですが、やはり裸シーンは妄想パワーが足りず(というか、勇気が……)かけませんでした。ううう……『どきっ☆ウッフン男だらけの裸祭り☆』が見えるようになるまで乙女ビジョンを鍛えてきますっ!


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 「つーわけで。
 裸踊りをすることになったから宜しく!」
笑顔で大佐が命令をしたことで、よい事があったためしがない。
 白服だけでなく他の隊員たちの顔は全部同じように暗かった。
 空は大きな入道雲、丸い太陽。
 そしてその下に広がる、海。
 ざばーん、ざばーんと潮の音が聞こえる。
 今日、零武隊は『海開きの前に幽霊退治が必要だから』という仕事がきて、「じゃあ退治した後海で遊べるんじゃないのー!?」と楽しみにきたのだ。毒丸は浮き輪を持ってきたし、炎の信者たちもしっかりパラソルを持っていた。
 そして予定通り昼ごろに除霊を終わり、さあ遊ぼうと浮き足立つ隊員たちに、最後の占めの言葉でいきなり爆弾を投下してきたのである。
「……肝心の警視総監殿はどこにいらっしゃるのでしょうか?」
現朗が暑さ以外にも別なことに眩暈を感じながら質問する。
「まだ来ていないようだな。
 警視総監の部下たちも正装とやらで来ているそうだとか、訳の分からないことをおっしゃっていたが知らん。
 奴が拗ねられると仕事が色々大変になるから、誠心誠意腰を振るように。以上」
『以上じゃねえ―――っ!』
「逃亡兵は軍法会議なしで処刑」
ちゃき、と鯉口を切って上官は脅す。
 そのとき、後ろから「はぁ―――い☆」のやたら変なテンションのオカマ声が飛んできた。
 もはや、彼らに逃れる術はなかったのである。

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 「……現朗ぉ、向こうむけ」
「なんだと。お前の局部を心の底から心配しているこの俺が」
「そーゆーお前だから嫌なんだよぉぉっ!
 おいっ。お前っ、現朗の部下だったよな、この上官連れて行きやがれっ!」
「あ。すみません俺は呼ばれているので。本当に申し訳ございません」
「…………激。お前ズボン握り締めながら内股で座っている様子はなかなかないい誘い方だと思うぞ。しかし俺も脱いでいる以上そのように刺激の強いことは少し困るな……」
「うわあぁぁぁぁっ!
 ヤダヤダ、嫌だぁぁっ!」


「真っ!
 見ろっ。炎天下の中、良く映えるだろうミラクルタイツ−へのほへと、がっ!
 一見全裸だが、このミラクルタイツ−へのほへと極細繊維で網タイツ状にできている。
 タイツの着心地を感じながらタイツを見せない、その不思議さ。
 ちなみに極細だが、馬鹿には見えないという繊維でできているのだ。(←もちろん騙されています)
 素晴らしいだろうっ。もちろんお前の分も用意して……」
「さ。脱いだ奴からこちらに並んで来い。
 警視総監殿は向こうだ。警官たちが女装しているから、ぶっちゃけ恥ずかしいことはないからとっとと行くぞー」
「無視するなぁぁぁぁ―――っ!」
「炎様、素晴らしいお体です」
「素敵です。無敵ですっ! 裸なのに目も当てられないくらい素晴らしい」
「裸じゃないっ。タイツ中だ!」

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 「……さーて。踊ってもらおうかしら」
 蛇に睨まれた生贄たちは、睨まれると思わず自分の逸物を隠した。視線だけで犯されるというのは、こんな感じだろうか。この男はヤバイ、食われるっ!と幾人もの男たちが思った。泣きながら逃げ出したかった。
 その初々しい反応が、八俣の嗜虐心を擽る。
 ぺろりと舌なめずりをするだけで、ひぃぃと悲鳴がここそこで漏れた。

 男に『食われる』ことに慣れていねぇなぁ……やっぱ零武隊は。

 一応隊長格の白服たちは、部下を守る為にすっくと立っている。零武隊の威信にかけて堂々としていて、恥ずかしがっている様子はない。だがこういう男たちを泣かすのが、面白いのだ。
 一人だけ泣いた跡があるのが気にかかったが、それはとりあえず無視して視線を戻すと赤髪の男と目がかちあった。
「どのような舞がお望みかな?」
と。
 赤髪の男がまるで人を切る直前のような悪い顔をして口を開く。
 天下の警視総監は、意味ありげににたりと唇を引き攣らせた。

 同刻。

 零武隊隊長の大佐は、部下であるが部下よりも共犯者に近い丸木戸君と一緒に、砂の城を一生懸命造営中。高さ三メートル、幅六メートルほどの本格派なのだ。わざわざ今日のために二人は設計図まで用意していた。
「教授っ! この柱はこんなもんかっ」
「右に三センチずらして下さいー。
 ここの門、もう削り始めていいですよねー」
「了解っ」
広く透き通った青空の下、響き渡る部下の悲鳴は一切無視して二人は童心に戻って心の底から笑顔だったのである。



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